未経験エンジニアが増えすぎている理由は?採用のポイントや学習サービスも紹介

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近年ではエンジニア不足による求人増加に伴い、未経験でエンジニアになる人が増えています。

エンジニアの採用を考えている企業にとっては、未経験エンジニアについて採用の場面でどのように向き合ったらよいか判断しかねる場面もあるでしょう。また、未経験エンジニアを採用したが、教育方法が分からずなかなか業務が進まないとお困りの方もいるかもしれません。

この記事では、未経験エンジニアが増えた理由や採用の際のポイント、未経験エンジニアの成長・教育について解説します。

目次

未経験エンジニアが増えすぎている4つの理由

なぜ「未経験エンジニア」が増加しているのでしょうか。要因は多くありますが、その中でも代表的な理由を4つ解説します。

エンジニア不足による経験を問わない求人の増加

IT技術の進歩は非常に早く、現在ではAIやDX などに注力する企業も増えており、現代ではIT技術は常に必要とされています。そのため求人数も増加傾向にあります。

しかしIT業界は専門的な知識や技能をもつ人が必要であるために大量採用が難しいという特徴から人材不足になりやすく、特にエンジニアは常に人材不足になる傾向にある職種です。

2015年「平成27年国勢調査」をもとにみずほ情報総研が作成・試算し、2019年3月に経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」資料では、IT需要の伸び・生産性上昇率・市場規模・供給人材数を軸として、IT人材に関する需給試算が行われています。

この調査の結論として、生産性上昇率を0.7%として試算した場合には、IT需要の伸びが「低位(1%)」、「中位(2~5%)」、「高位(3~9%)」いずれの場合の試算においても、IT人材には需給ギャップが生じ、需要数が供給数を上回る、つまりIT人材が不足し続けるという結果を示しています。

また、生産性上昇率を2.4%として試算したケースにおいては、IT需要の伸びが「低位(1%)」にとどまった想定においてのみ、IT人材の需給ギャップに逆転が起こり供給数が需要数を上回る試算となっているものの、IT需要の伸びが「中位(2~5%)」、「高位(3~9%)」のシナリオにおいてはいずれも需給ギャップが発生し、やはりIT人材の不足となる試算となっています。

つまり、生産性上昇率が2.4%またはそれに近い上昇率を達成し、IT需要の伸びが「低位(1%)」にとどまるというシナリオに沿わない限り、IT人材の需給ギャップが生じ、IT人材が不足し続ける可能性が高いことを示しているという結果です。

なお調査に関する前提として、IT需要の伸び率については、各種調査会社等が市場成長予測をおこなった結果が「低位」、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の試算を「高位」として、その中間を「中位」としています。

労働生産性の数字については、過去の情報通信業の生産性上昇率等を参考として試算されており、「0.7%」は、2010年以降の日本の情報通信業の労働生産性の上昇率の平均値、「2.4%」は、1995年以降の日本の情報通信業の労働生産性の上昇率の平均値となっています。

こうした「エンジニアへの高い需要」と「エンジニア不足」により、未経験であってもエンジニアには高い需要があることから、未経験エンジニアの転職・就職市場への流入も増えているのです。

出典:IT人材需給に関する調査 

エンジニア不足を解決するための国の後押し

エンジニア不足が加速する状況は国にとっても課題であり、政府もIT人材不足を解消するために支援策を講じています。

経済産業省・厚生労働省は協業体制で「教育訓練給付制度」をITエンジニアの領域まで拡大させました。

これによって、プログラミングスクールなどの授業料が還元されるケースもあり、初心者にとってプログラミングを学びやすい環境が整い始めています。

出典:教育訓練給付制度 

リモートワークがしやすい職種である

リモートワークはコロナ禍で様々な業種が試行しましたが、現在は出社での仕事に回帰しつつある企業もあります。

その中で、エンジニアはリモートワークを続けやすい職種のため、引き続きリモートワーク可とする求人が多く出ています。

自分の時間を大切にしようという時代の流れから、リモートワークを好む未経験者の応募が増えているという側面もあります。

インフルエンサーの発信

求職・転職の場においてエンジニアに人気が殺到しているもうひとつの理由としては、インフルエンサーがエンジニアを勧める発言をしていることも原因に挙げられます。

元来、インフルエンサーとなるタイプの人々はブロガーやSNSユーザーなどITに比較的明るいタイプの人が多く、エンジニアのメリットについてもピンポイントに発信できることが、求職・転職者にとってより強いメッセージとなったと考えられるでしょう。

未経験エンジニアを採用する際に見るべき4つのポイント

未経験エンジニアが増える中、エンジニアを採用する企業にとっては、できるだけ自社の戦力となってくれる人物を採用したいと考えるのが自然です。

では数多くの未経験エンジニアの中から魅力的な人物を採用するためには、どのような点を重視して採用活動につなげていけばよいのでしょうか。

コミュニケーション能力

かつてエンジニア・プログラマーと呼ばれるような職種は、コミュニケーション能力よりも技術力の高さが重要であるという価値観がありました。

しかし現代においては、大規模なプロジェクトを進めるにあたってチームでのプロジェクト進行を行うことが大前提です。そのために、チーム内・社内・社外とのコミュニケーション能力が重要視されるようになっています。

特に物事を筋道立てて考えそれを適切に相手に伝える能力や、クライアントの要望を適切に聞き取りチームに共有する場面では、コミュニケーション能力が欠かせません。

面接時にコミュニケーション能力を測る質問には様々な種類がありますが、例えば単純な一問一答の質問ではなく、答えを「掘り下げる」ことでコミュニケーション能力を測ることができる場合もあります。

答えを掘り下げることで、受け答えそのものだけではなく、複数ある回答の中からなぜそれを選んだのか、判断基準はどこにあったのかということを適切に説明する能力や、質問の前提をヒアリングする能力があるかどうかを見極めることができます。

問題解決能力

次にエンジニアに求めるべき能力は「問題解決能力」です。これは、問題が発生したときに、その原因や解決策を明確に考える能力を指します。

例えば、顧客の抱える問題をシステムを使ってどう解決するか、あるいは現在発生している問題の根本原因を特定する場面で、問題解決能力は欠かせません。

エンジニアの仕事において、問題解決能力は極めて重要な能力のひとつなのです。

面接の場面で、実際に自社で発生したトラブルの状況を説明し、エンジニアとしてどのようにその問題に向き合うのか、対応手順はどのように展開するべきかという質問をすることで、問題解決能力や問題に向き合う姿勢を測ることができます。

長期的に働く意思

次に採用しようとしているエンジニアに「長期的に働く意思」があるかどうかも重要なポイントです。

エンジニアの採用に限らず、人を採用するには費用がかかります。そのため、すぐに辞められてしまうことは会社にとって大きな損失です。

さらに、採用してすぐに現場で働くことが難しいのが未経験エンジニアです。実際の業務の場についてもらうよう多くの時間やコストを使って研修や教育を施すため、すぐに辞められてしまうとそれらの時間や手間もすべて無駄になってしまいます。

長期的に働く意志を面接の場面で見極めるのは難しいところですが、たとえばエンジニアとしてのキャリアプランを質問したり、将来的にどのような働き方を目指しているかという質問への受け答えを見ることで判断材料のひとつとなるでしょう。

ITに関する興味・関心

エンジニアを目指す人が、必ずしもITに関して興味・関心を抱いているとは限りません。中には、仕事のためのスキルと割り切っているケースもあるでしょう。

しかし、IT業界は技術のトレンドや発展が著しい業界です。つい最近まで最先端だった技術が、すぐに陳腐化し新しい技術情報を仕入れなければならないというケースもあります。

このようなとき、やはり普段からITに関して興味・関心を持っているエンジニアのほうが、そのような情報をキャッチする傾向が強く、また新しい技術や情報を学ぶ姿勢にも差が出ることは間違いありません。

こうして自らアップデートしていくエンジニアが所属していることで、結果的に対応可能な業務範囲も広がっていくのです。

未経験エンジニアが成長する3つのポイント

未経験エンジニアは、スクールや独学で学んだことがある人も、実務経験がなくスキルは未完成であると言わざるを得ません。

こうした未経験エンジニアは、常に成長する姿勢がなければエンジニアとして活躍することは難しいでしょう。

未経験エンジニアの成長に繋がるポイントを3つピックアップして解説します。

自主学習を行いやすい環境

まず、未経験エンジニアが成長するためには自主学習が欠かせません。自主学習というのは、業務時間中に現在の業務のためにする勉強のことだけではなく、業務外の時間にも行う学習のことを指します。

これは、会社での「仕事」の延長ではなく、エンジニア自身の価値を高めるための成長と考えると理解しやすいでしょう。

独学で書籍やインターネットを活用しての勉強も良いですし、勉強会・セミナーなどへ参加して学習することも有効な方法です。

よって、未経験エンジニアの成長を促したい場合には、日頃からおすすめの書籍や動画、最新ニュースをシェアしあったり、セミナー参加や勉強会を企画したりなど、社員間で学習へのモチベーションを上げる環境を作るのがおすすめです。

資格の取得を推奨する

ITに関する資格の取得は、未経験エンジニアにとって成長するための良い手段となります。

資格は「持っていること」だけではなく、取得するためにする勉強にも価値があり、エンジニアとしての価値を高めることに役立つことは間違いないでしょう。

資格取得を促進するには、やはり参考書籍の購入補助や資格試験費用の補助、資格取得祝い金など金銭的負担を減らす他、手当てをつけるのが一般的です。

以下の資格は、未経験エンジニアでも比較的学習に取り掛かりやすいものといえます。

・基本情報技術者試験(FE)
・応用情報技術者試験(AP)

より知識がついた場合には、国家試験「情報処理技術者試験」の他の領域の試験もあります。プログラミング以外の知識、たとえば法についてや経営学、マーケティング知識なども求められるため難易度は高くなりますが、実務にも役立つ試験です。

・情報セキュリティマネジメント試験(SG)
・システム監査技術者試験(AU)
・ITストラテジスト試験(ST)

これらの試験は、資格を取得したりそのための学習を通じて、エンジニアだけでなくさらに会社全体のIT施策を担う人材となるための知識が得られたり、事業の中のひとつのシステムだけではなく、会社の事業そのもの牽引する能力をつけることもできます。

需要の高いプログラミング言語も学ぶ

エンジニアが扱うプログラミング言語には多様な種類があります。使用する言語は現場によって異なるため、ひとつの言語ができればエンジニアとして十分という考えは必ずしも正解とは言い難いでしょう。

未経験エンジニアが成長のためにプログラミング言語を学ぶうえでは、需要の高いプログラミング言語を学ぶことがおすすめです。

需要が高い言語を扱えるようになることで、結果的に仕事の幅も増えます。

「未経験者はこの言語から順に学ぶべき」という学びの観点だけではなく、未経験者が早い段階で実務経験を積みやすい言語も優先的に覚えることで、自ら成長しようという気持ちも芽生えやすくなるでしょう。

2023年現在、需要が高いと考えられているプログラミング言語には以下のようなものがあります。

・Python
・Java
・C++
・C#
・JavaScript

未経験エンジニアにおすすめの学習方法

未経験エンジニアでも自主的に学ぶ習慣がついている人であればよいですが、そうでないケースも多くあります。

以下には、プログラミング言語を効率よく学べる学習方法の例を解説します。

プログラミングスクールの活用

未経験エンジニアを自社の戦力とするために、プログラミングスクールを活用するという方法もあります。

スクールには学習進捗を管理してくれる点や、不明点を質問できる点などメリットが多くあり、また指導も体系的に行ってくれるのが一般的です。そのため、個別の知識・ノウハウだけではなく、該当となる言語を体系的に学ばせたいという場合には、未経験エンジニアをプログラミングスクールに通わせて学習させるという方法は合理的です。

ただし、未経験エンジニアを戦力化するうえでは、スクールで学べる基礎的な知識・技術だけではなく、実際の案件で使われるようなコーディングに関する知識が必要となるのが一般的です。そのため、プログラミングスクールに通わせたからといって、すぐに未経験エンジニアが戦力になるという判断には慎重であるべきです。

学習サービスの活用

プログラミングスクール以外にも、近年では学習サービスが数多く展開されています。

Webサイト、アプリ、動画サイトなどでプログラミングに関する教材の解説や、練習問題が掲載されていることもあります。これらの中にはスマホからも利用できるものも多くあり、移動時間やすきま時間でも取り組むことができるのがメリットです。

インターネットを活用して学習ができるシステムエンジニア向けeラーニングには、「Udemy」や「Schoo」などのサービスがあります。

現場で使えるプログラミングが学べる「StoneStackr」を導入しよう

StoneStackr

未経験エンジニアが自主学習を進めていく中では、勉強の進捗の管理や、自走できるレベルまでのモチベーションの維持などが課題になることがあります。そのような際には、「StoneStackr」がおすすめです。

StoneStackrでは、実際の案件に基づくコーディング課題を活用した教材が利用できます。また学習計画機能・仕様書機能、管理者ツールによる学習管理など未経験エンジニアが自走できるレベルまで学習を進めるのに適した学習を続けられるeラーニングサービスです。

数多くいる未経験エンジニアを自社業務で自走できるエンジニアに育成するために学習方法を模索している場合には、ぜひStoneStackrを検討してみてください。

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